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執筆者の写真shige711routing

◎ビタミンBの役割と筋肉形成のはなし

◆ビタミンB群の主な種類と役割は。。。


1,ビタミンB1 (チアミン):


 ・糖質の代謝をサポート

  食事から摂取された糖質は、酵素の働きにより分解される事でエネルギーに変わります。

  この酵素を働かせる為に必要な補酵素の役割をするのが、ビタミンB1です。

  脂質がエネルギーとして使われる時に比べて、糖質がエネルギーとして使われる際には

  多量のビタミンB1が必要です。

  日本人は米を主食とする傾向があるので、ビタミンB1をたくさん必要とします。

  その為、ビタミンB1欠乏症になりやすい傾向にあります。


 ・神経機能を正常に保つ

  中枢神経や手足の末梢神経の働きをコントロールするときに、脳は大量のエネルギーを必要

  とします。エネルギー源はブドウ糖という糖質であるため、ここでもビタミンB1が代謝を助けて

  神経機能を正常に維持することができます。


 ・こんな食品に含まれています

  豚ヒレ肉、たらこ、生ハム、ウナギ、ベーコン、カシューナッツ、大根、大豆など


 ・効率の良い食べ方は?

  ネギ類、にら、にんにくに含まれるアリシンという香り成分は、ビタミンB1と結合すると血液中 

  に長く留まる性質があるので、排せつされるのを抑える効果を期待できます。

  また、白米から玄米、胚芽米に変えることでビタミンB1を日常的に摂る事でできます。

  水溶性なので、さっと洗って調理しましょう。


2,ビタミンB2 (リボフラビン):


 ・三大栄養素の代謝を助ける

  炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の三大栄養素をエネルギーに変える為に不可欠な

  補酵素として働きます。特に脂質の代謝に多く使われます。


 ・発育を促進させる

  別名、発育のビタミンとも呼ばれるB2ですが、たんぱく質の合成を助けて皮膚、髪、爪などの

  細胞の再生と新生をサポートする重要な役割を担っています。


 ・過酸化脂質の分解を助ける

  ビタミンB2は、老化や生活習慣病の原因となる過酸化脂質を消去する働きに関わります。

  過酸化脂質とは、不飽和脂肪酸が活性酵素などにより酸化されてできる物質です。

  他にビタミンEも関わっており、過酸化脂質の生成を抑える働きをします。

  ビタミンB2は分解する酵素の働きを助けます。


 ・こんな食品に含まれています

  豚レバー、牛レバー、アーモンド、ウナギ(肝)、魚肉ソーセージ、サバ、チーズ、全卵

  マイタケなど


 ・効率の良い食べ方は?

  水溶性ビタミンですが、比較的水に溶けにくく、加熱しても壊れにくいので調理法はなんでも 

  OKです。但し、光に当てると分解が進むので、紙でつつむなどの保存方法がおすすめ。


3,ビタミンB3 (ナイアシン):


 ・糖質や脂質の代謝を助ける

  食品として取り込まれたナイアシンは、体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)

  またはNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)という補酵素に変わります。

  このうちNADが糖質や脂質をエネルギーに変える酵素を働かせるのに必要な補酵素として

  使われます。他にも、NADは体内で非常に多くの酵素に対して補酵素として働き、エネルギー

  産生の他に、ホルモンの合成やDNAの修復、細胞の分裂など、幅広い反応に関与します。


 ・アルコールの分解を助ける

  ナイアシンは、摂取したアルコールの代謝にも不可欠です。アルコールを摂取すると、体内で

  分解される過程でアセトアルデヒドという物質を生成します。このアセトアルデヒドを分解する

  際にナイアシンが補酵素として働きます。因みにアセトアルデヒドは、二日酔いなどで見られ

  る吐き気や頭痛の原因となる物質です。


 ・こんな食品に含まれています

  カツオ、マグロ(赤身)、豚レバー、焼き豚、鶏ささみ、ごま、エリンギ、マイタケなど


 ・効率の良い食べ方は?

  ナイアシンは熱や酸、アルカリ、光などに比較的強く、体内での利用率も60%ほどあります。

  水溶性ですが、特に気にせず調理して摂取しましょう。

  できれば、他のビタミンB群と摂取して作用を高める効果を得ましょう。

  また、ナイアシンは体内でトリプトファンから合成もできるので、たんぱく質を適量とることでも

  補給できます。


4,ビタミンB6 :


 ・タンパク質の代謝をサポート

  体内のタンパク質は、分解と合成を繰り返して一定量を保っています。ビタミンB6は食品から

  とったタンパク質を分解してアミノ酸にし、必要に応じて体内のタンパク質を再合成する過程を

  補酵素としてサポートします。

  また、糖質や脂質の摂取が足りない場合、そのままではエネルギー不足を起こしてしまいま

  す。それを防ぐ為に体に蓄積したタンパク質は分解されエネルギー源になります。この過程で

  も、ビタミンB6は補酵素として働きます。


 ・脳の神経機能の維持を助ける

  ビタミンB6はアミノ酸の代謝の補酵素として働くことから、アミノ酸を材料とする脳の神経伝達

  物質の合成に作用します。神経伝達物質は脳の神経細胞の情報を伝達している物質で、脳

  が正常に働く為に欠かせない栄養素です。

  

 ・さまざまな生理作用をサポート

  ビタミンB6は、脂質の代謝や赤血球の合成をサポートするほか、ホルモンの働きの調整など

  にも作用します。


 ・こんな食品に含まれています

  にんにく、ピスタチオ、酒かす、牛レバー、マグロ(赤身)、シロサケ、鶏ささみ、ごま、バナナ

  など


 ・効率の良い食べ方は?

  加熱や光に弱く、水に溶ける性質です。既に加熱や調理されている加工食品よりも、

  生の食品を選ぶのがおすすめ!

  ビタミンB6の必要量は、たんぱく質1gあたり0.019mgとされ、たんぱく質の摂取量により変わ

  るのが特徴です。これはビタミンB6の働きがおもにタンパク質の代謝であるためです。

  ビタミンB6とタンパク質はセットにして献立を考えると良いです。


5,ビタミンB12 :


 ・赤血球の生成に不可欠

  赤血球は体内で常に作り替えられており、その寿命は4ヵ月です。ビタミンB12は赤血球の

  成熟をサポートします。この働きはビタミンB12だけではなく、葉酸の存在も欠かす事は

  できず、どちらかが不足しても正常な赤血球を作ることはできません。


 ・DNAの合成を助ける

  DNAはデオキシリボ核酸の略称で、細胞の遺伝情報を担い、細胞が正常に機能するために

  働きます。このDNAの合成にもビタミンB12と葉酸の協力が必須です。

  

 ・末梢神経の機能維持に働く

  ビタミンB12は、たんぱく質や神経細胞内の核酸の合成を助ける働きにより、傷ついた

  末梢神経の回復などにも関わっています。中枢神経へも影響する為、睡眠障害などの

  改善にも関与していると見られています。


 ・こんな食品に含まれています ※基本的に動物性食品に含まれる

  しじみ、焼きのり、牛レバー、アサリ、鶏レバー、豚レバー、カキ、サンマ、プロセスチーズ

  など


 ・効率の良い食べ方は?

  ビタミンB12は加熱しても比較的壊れにくいビタミンです。ただ、煮ると成分が解け出るので、

  汁ごと食べられるスープなどがおススメ!

  基本的に動物性食品にしか含まれないので、厳格な菜食主義者の方は不足になりがちです。

  こういった場合はサプリメントなどで摂取する事を勧めます。


  ※この他に、ビタミンB群には葉酸、パントテン酸、ビオチンなどが含まれます。

   今回は説明を割愛します。


◆筋肉形成におけるビタミンBの役割 まとめ


 ・エネルギー代謝のサポート

  筋肉が適切に機能し、エクササイズ中にエネルギーを効率よく使用するためには、エネルギ

  ー代謝が重要です。ビタミンB群はこの代謝プロセスをサポートします。


 ・タンパク質の合成と筋肉修復

  特にビタミンB6は、タンパク質の合成に関与し、トレーニング後の筋肉修復と成長をサポート

  します。


 ・筋肉の健康とパフォーマンスの向上

  適切なビタミンB群の摂取は、筋肉の健康を保ち、運動パフォーマンスを向上させることに

  つながります。


 ビタミンB群は、全体的な健康と筋肉の機能にとって重要であり、これらのビタミンが不足すると、エネルギーの低下、筋肉の疲労、運動能力の低下などが起こる可能性があります。

バランスの取れた食事を通じてこれらのビタミンを適切に摂取することが重要です。




   

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